要 旨:特別支援学校の自立活動の時間の指導において,重度の運動障害と知的障害があり,座位が不安定な脳性まひ児に対して動作を通したやりとり課題を集中的に指導した。躯幹反らせ,あぐら座位,膝立ち位それぞれの動作変容を中心に分析し,三つの姿勢の改善の時期的関連性と学校生活における生徒のエピソード記述を基に自立活動6区分の視点からの考察を行うことを目的とした。躯幹反らせで上体を元の姿勢まで戻すやりとりの向上がその後のやりとりの窓口となり,膝立ち位で腰が引けずに保持できるようになると,座位姿勢では重心の位置が中央で安定させることができた。また,重度肢体不自由児にとって身体へのアプローチに関する自立活動の指導は主に「身体の動き」に注目される傾向があるが,同じ視点をもち,指導を積み重ねることにより,「身体の動き」の区分だけでなく,自立活動の6区分全てに教育的な効果があることが示唆された。
キーワード:動作法 自立活動 動作変容の関連性 学校生活 重度脳性まひ児 本文・図表PDF (画面での閲覧に制限されております) ご意見投稿掲示板 |