要 旨:本研究では,インクルーシブ教育の実践に対する効力感を測定する尺度であるTeacher Efficacy for Inclusive Practices Scale (TEIP)の日本語版の作成に向けて,TEIPの日本語化を行い,心理統計的観点から基礎的な検討を行った。TEIPを日本語化したものを用いて,小学校,中学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校の教員計435名を対象として調査を行った。その結果,各尺度の信頼性係数は十分であった。また,確証的因子分析によって因子間の関係を検討したところ,3因子間相関モデルよりも2層の階層因子分析モデルの方が適合度が高かった。このことから,下位尺度ごとに結果を解釈するよりも,インクルーシブ教育の実践に対する効力感を包括的に測定することを目的として尺度全体の合計得点の結果を解釈する方が妥当であることが示唆された。本研究では未実施となった尺度の妥当性の検討を含め,今後の課題について論じた。
キーワード:インクルーシブ教育の実践に対する教員の効力感尺度 日本語版 尺度開発 本文PDF (画面での閲覧に制限されております) ご意見投稿掲示板 |