(原著論文)

知的障害特別支援学校高等部における概数能力を促す「数学」授業の開発

要 旨:知的障害特別支援学校高等部に在籍する生徒に対して,およその数量を判断する概数能力の活用を促す「数学」科の授業開発を行った。単元の一つとして「およその位置関係」と「およその時間」を設定した。前者では空間的な位置関係における概算を,後者では時間配分における概算を取り上げ,実際の職場での作業場面を想定した活動内容とした。単元の目標は,@順序性をもって配列された物品の探索活動でおよその位置を見当づけて作業の効率化を図る,A制限時間のなかで作業する活動でおよその時間配分を予測して作業の効率化を図る,とした。週に1回,合計12時間の授業で,生徒数は7名であった 。位置と時間に関する概数能力について事前・事後評価を行い,概数判断の変容について確認した。すべての生徒において,授業前に比べて事後評価で概数判断の向上が認められた。知的障害特別支援学校における概数能力の活用を焦点に当てた授業展開の有効性について考察した。

キーワード:知的障害   特別支援学校高等部    数学    概数能力



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