(原著論文)

発達障害学生の就労支援:事例研究とシミュレーション

要 旨:日本での発達障害学生の就労は, 少しずつ改善しつつも, 今なお厳しい現状であり, 就労支援に関しては, 研究や実践の歴史は浅い. 発達障害学生の就労支援は, 外部協力型と外部依頼型に分類できる. 外部協力型は外部と協力するが, 就労支援の中心は大学の組織である. 外部依頼型は, 大学も就労支援をするが, 就労支援の中心は外部の機関である. 外部依頼型は, 実績のある外部機関の就労支援を学生が即時に受けられる利点がある一方, @就労準備への過度な負担A就労支援の知識やノウハウを大学間で共有や蓄積が出来ないB就労支援で大学間の格差が生じる, などの懸念がある. 外部協力型の明星大学は, 2015年度から, インターンシップを軸にした就労支援に取り組み始め, 就労意欲やOn the Job Trainingを重視するIPSを理論的基礎とする支援モデルを提示した. 本論文では, 明星大学の新たな試みを, 鳥取大学の実践により検証して, 仮説的な就労支援モデルをシミュレーションする方法を提示した.

キーワード:Employment support(就労支援)   IPS(Individual Placement and Support:個別就労支援とサポート)   OJT(On the Job Training:実際の職場での訓練)   Internship model(インターンシップモデル)   Supported employment(援助付き雇用)



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