要旨:読み間違いや読み詰まりが多く、漢字も読みにくいために、国語科の学習に興味を持つことができない自閉スペクトラム症の小2男児の「読み能力」の向上をめざして、検定済教科書を当該児童の特性に合わせて変更・調整を施したオリジナル教科書を作成し、特別支援学級で個別指導を行った。変更・調整にあたっては、文字や文を読みやすくするための工夫と、内容を読み取りやすくするための工夫を考案し、さらに、当該児童の認知特性や身体特性などを記載した個別プロフィールを作成して、それらの内容にしたがうこととした。その結果、読字つまずきチェック比較や包括的領域別読み能力検査比較において大幅な向上が認められ、指導者や保護者のアンケート調査の結果からも向上がうかがえる内容を読み取ることができた。本研究では、当該児童の「読み能力」の改善と変更・調整したオリジナル教科書との因果関係について考察することを目的とする。
キーワード:合理的配慮 変更・調整 文字の読み 内容の読み取り |
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