(展望論文)

欧州および日本におけるインクルーシブ教育の動向とその影響要因

要旨:本研究は,インクルーシブ教育の推進に関する数量的な分析を行い,国際的な状況と変化,背景要因を捉えることを目的とした。欧州特別なニーズとインクルーシブ教育機構(EASNIE)の最新データを主な分析対象とした。その結果,欧州29ヵ国5地域においてSEN認定率は1.02%から25.12%であり,日本は5%と中間的な位置付けにあった。全生徒に占める分離率は0.55%から5.63%であり,日本は3.63%と高い水準にあった。また,背景要因として,人口密度とGDPに占める教育予算を検討した結果,人口密度は分離率に影響する一方,教育予算は影響要因としては弱いことが示された。また,障害者権利条約が採択され,各国でインクルーシブ教育が推進される中,多くの国で分離率が減少する傾向であった。今後,行政やカリキュラム等の質的な観点を取り入れた国際比較を行い,インクルーシブ教育の状況をさらに検討する必要がある。

キーワード:インクルーシブ教育   特別な教育的ニーズ   実証的研究   国際比較


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