(原著論文)

特別支援学校教員の微小なイニシエーションの形成に関する基礎研究Ⅱ
―担当児童生徒の保護者に思いや考えが伝わらない体験を他者へ語ることの意味―


要旨:本研究は,特別支援学校教員のストレッサーとされる重要な他者,その中でも,担任児童生徒の保護者に思いや考えが伝わらない体験を他者に語ることが,個人の感じ方や在り方が揺れ,再構成される“微小なイニシエーション”となり得るかを検討することを目的とした。特別支援学校教員5名を対象に,PAC分析の手続きに基づき,同僚に思いや考えが伝わらない体験に関する面談を実施した。その結果,2名は他者との関係から自身の自己の在り方を見つめる状況が生じていた。その2名は担任児童生徒の保護者に思いや考えが伝わらない体験を他者に語ることで自身の在り方が揺れ,再構成される伝わらない体験の中にある“微小なイニシエーション”が成立していることが確認された。

キーワード:特別支援学校教員  担任児童生徒の保護者  伝わらない体験  微小なイニシエーション  PCA分析


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