要旨:本研究は高等学校の教科教育における多層指導モデルの必要性について検討することを目的とした。公民科担当教師に質問紙調査を行い,258名(回収率51.6%)の回答について量的分析を行った結果,<授業UD化>因子・<個別支援>因子・<生徒の実態に合わせた指導と評価>因子の3因子が抽出され,これらを基に3つのクラスターに回答者を分類した。クラスター1はすべての因子が0に近い値を示す回答者群であり,3因子を意識しないで授業を行っている教師群(非認知群)である。クラスター2はすべての因子がマイナス値を示す回答者群であり,3因子の必要性を感じていない教師群(消極群)である。クラスター3はすべての因子がプラス値を示す回答者群であり,3因子の必要性を感じている教師群(積極群)である。つまり,生徒の実態に合わせて多層指導モデルに相応する3因子を取入れた授業を実践している教師がいる一方で,消極的・否定的な姿勢を示す教師がいることも明らかになった。
キーワード:高等学校 ユニバーサルデザイン 個別支援 多層指導モデル |
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