要旨:本論文においてはダウン症候群(Down Syndrome, 以下DS)児の摂食嚥下障害,栄養障害の評価,管理について,海外の先行研究に基づき論ずる.日本ではDS児の摂食嚥下障害と栄養障害の先行研究は未だ少ないためである.Jackson et al. (2016) は,DS児の誤嚥について研究した.嚥下造影検査(Videofluoroscopic Examination of Swallowing, 以下VF)を行った.合計56.3% (n=89)のDS児が咽頭相嚥下障害を有しており,誤嚥と深部喉頭侵入が最も頻繁に生じた. 咽頭相嚥下障害のDS児の76.7%では,とろみをつけた液体を使用したり,一口ごとの水分量や食塊の大きさを変えたりすることで,経口摂取を続けることができた.濃いとろみの液体(76.7%,n=46)が最も効果的であった.Anil et al.によれば,嚥下障害が生じる食形態は固体の場合が最も多く,次に液体の場合が多かった.Glatz-Noll and Bergなどの多くの口腔内装置の研究がある.Saccomanno et al.により口腔機能療法(Myo Functional Therapy, 以下MFT)の治療効果が研究された.
キーワード:Down Syndrome(ダウン症候群) Dysphagia(嚥下障害) Malnutrition(栄養障害) |
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