(実践研究論文)

小学校自閉症・情緒障害学級における協働的な学びによるプログラミング学習
―認知的スキルと社会情動的スキルの両面に着目して―


要旨:小学校自閉症・情緒障害学級に在籍する1年生から6年生の児童を対象に、プログラミング学習の授業を実践した。単元を通して、授業は2名から4名の班単位による協働学習を主として進めた。教材は低年齢からプログラミングできる「マタタ プロセット」を用いた。単元の前後に紙媒体よるテストを実施してプログラミング的思考の変化を検討したところ、児童のプログラミング的思考(認知的スキル)が単元後に向上したという結果はみられなかった。他方、授業中の児童の様子や単元終盤の発表会の様子・内容等から、本単元が児童の社会情動的スキルの向上に寄与できた可能性が考察された。社会情動的スキルは学習指導要領における「学びに向かう人間性等」に符号し、自閉症・情緒障害学級の児童には特に求められるスキルである。実践の結果から、協働学習によるプログラミング教育が、自閉症・情緒障害学級の児童に豊かな学びを供するものであると考察された。

キーワード:プログラミング教育   協働的な学び   社会情緒的スキル


本文PDF  (画面での閲覧に制限されております)

ご意見投稿掲示板