(展望論文)

我が国における自閉症児の保護者による学校への参画に関する研究の現状と課題

要旨:本研究は本邦の自閉症児の保護者による学校への参画(FSP、PI)において、自閉症児の年齢、標的行動、保護者役割の特徴を把握し、今後の課題を明示した。FSPは保護者と学校が積極的な関係を形成し、協働し子供の社会、行動等の領域を標的に支援を実施し肯定的結果を得ることを目標とした子供中心アプローチ、PIは保護者が学校等から提案された支援の説明を受け実施するアプローチである。Rispoli, Mathes and Malcolm (2019) を参考に、データベース及び学術雑誌8誌より検索を行った。結果、対象論文48編の多くが小学生の行動問題やソーシャルスキルを標的行動とした。FSPは個別の教育支援計画を作成・活用するために学校と協働し、PIでは標的行動の維持・般化を検討するために関与した特徴が見られた。今後の課題として、最も支援効果を高める保護者役割の検討、幼児期の予防的な標的行動対象の研究遂行、移行期における保護者役割の検討の3点が指摘された。

キーワード:自閉症   学校と保護者の協働   レビュー


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