要旨:本研究の目的は,高校の特別支援教育コーディネーターにおける小児がん患児に対する教育制度の把握状況と役割意識の傾向を明らかにすることである。質問紙調査(23名)の結果,新たな教育施策は十分に浸しておらず,同時双方向型授業に関する認識も低い水準にあった。また,コーディネーターの医療関係者や校内教員との連携に関する役割意識は極めて高い一方で,医療機関への訪問や病院教育担当者との連携は必ずしも重視されていなかった。学級通信や授業の教材準備についても,コーディネーターの役割とは考えられていない場合もあり,役割範囲の明確化が必要となっていた。自由記述からは,ICT活用による学習・心理支援を行う役割意識が示されるとともに,中学校との連携においては個人情報の取り扱いや業務負担の問題が浮き彫りなった。これらの課題の解決に向けて,連携ガイドライン整備や円滑な情報共有の基盤強化が求められることを指摘した。
キーワード:小児がん 特別支援教育コーディネーター 教育的支援 |
本文PDF (画面での閲覧に制限されております) ご意見投稿掲示板 |