要旨:通常の学級に在籍する仮名文字の読み書きに困難がある小学3年生に対して,エラーレス学習と自己修正機能に着目した個別指導を行った。誤学習を回避するため,エラーレス学習の考え方に基づき,正しい音読や書字を例示した後に反復させる指導方略を継続して実施した。さらに,既得の誤字や字形の乱れを修正するため,書かれた文字に対して指導者による他者評価と児童の自己評価を段階的に組み合わせることで,書字における自己修正機能の改善を図った。指導の結果,事前検査でみられた音読の流暢性の弱さ,音読の正確性の低さ,書字の正確性の低さにそれぞれ改善が認められた。以上より,仮名文字の読み書きに困難がある小学生,特に誤字が多い児童に対して,エラーレス学習の考え方に基づく支援や自己修正機能の向上を図る支援は有効であることを示唆した。誤学習を特徴とする読み書き困難の児童に対するアセスメントと個に応じた支援方略について考察した。
キーワード:読み書き困難 小学生 エラーレス学習 自己修正機能 |
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