(調査報告)

通常学級における場面緘黙児への教育的支援と保護者連携の実態
− 小学校における支援実践の実態と課題 −


要旨:本研究では,通常学級に在籍する場面緘黙児が学校で示す実態に応じた支援内容や保護者との連携の違いについて,学校現場における場面緘黙児支援の実践的工夫を明らかにすることを目指した。有効回答107名(有効回答率35.6%)を分析した結果,場面緘黙児の緘黙症状の出現頻度や程度に基づいて3つのクラスターが得られた。緘黙症状が軽度の児童には話す以外の手段で意思表示をしたり,教師が友人との関わりの中でフォローに入りながら交流する機会を設けたりする支援が行われ,その保護者には予め設定されている面談等の機会に支援が実践されていることが示唆された。緘黙症状が重い児童には,教師自身が対象児の意思を確認し信頼関係を構築できるようにするための支援が行われており,その保護者には継続しやすい頻度で対面し話をする機会を設けたり,生活の様子を電話で伝えたりする方法で支援が行われていることが明らかとなった。

キーワード:通常学級   場面緘黙   保護者連携   支援


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