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要旨:本研究の目的は、発達障がい当事者が対人援助職として自己形成していく過程を、17年間の縦断的オートエスノグラフィーによって明らかにすることである。筆者は17歳時(2008-2009年)に高校中退・精神科通院・希死念慮を経験し、社会や教育制度への強い憤りを手記として残していた。本研究では、17歳時の手記群(計13編)を一次資料として分析し、Tedeschi & Calhounの心的外傷後成長(PTG)理論を理論的枠組みとして検討した。分析の結果、【社会への憤怒と実存的苦悩】【トラウマ体験と強迫的反応】【信仰による生への繋留】【当事者性に基づく支援者志向の萌芽】という4つの位相が見出された。重要な知見として、社会への怒りと支援者志向は対立するものではなく、「自分と同じ苦しみを他者に経験させたくない」という動機によって接続されていることが明らかになった。本研究の知見は、当事者の「負の経験」を専門性の資源として位置づける視点の重要性を示唆している。
キーワード:心的外傷後成長 オートエスノグラフィー 発達障がい 自己形成 支援者志向 |
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