日本発達障害システム学会
学会の概要



目的・成り立ち
 日本発達障害支援システム学会は、1998年4月に 東京学芸大学教育学部附属特殊教育研究施設の有志により始まった教育診断−治療教育システム学研究会を、2001年3月に発展的に解散し、全国の心理学、教育学、医学、社会学などの研究者のうち発達障害研究を行っている研究者、発達障害研究に興味のある研究者、そして日々、発達障害の支援を行っている実践者に広く呼びかけ、同年4月に結成した学会である。
 したがって、日本発達障害支援システム学会は、教育診断−治療教育システム学研究会が当初めざした「これからの障害児教育に関する研究のあり方を模索しつつ、身近にある実際的な障害児教育の課題を一つずつ解決していこう」という姿勢を踏襲しつつ、さらに発展をめざすものである。 本学会が結成に際し、研究課題として掲げた主な研究テーマと、その実現に向けた活動は以下に示す4研究である。

1.特殊教育における教育システムに関する研究
  • 現在、特殊教育の現場にある様々な課題について、個々バラバラに考えるのではなく教育という一つのシステムの視点に立ち、考えていく必要がある。教育現場において解決の急がれる課題として、「早期教育と学校教育」、「就学相談と就学指導」、「盲聾養護学校の教育課程」、「IEPの実際」、「保護者の心理と情報の提供」、「多様化する障害の種類と指導法」、「職業前教育と職業教育」、「学習指導要領と教育実践」、「授業づくり」等がある。
  • 本学会は、課題解決の実現に向けて小中学校の特殊学級、盲聾養護学校を対象として調査研究を行う研究プロジェクトを組織する・・・・特殊教育システム学研究プロジェクト

2.アセスメント方法の開発とそのシステム化に関する研究
  • 特殊教育の現場で最も必要されている情報の一つとしてアセスメント方法に関する情報がある。しかし、我が国では発達障害児を対象としたアセスメント方法は必ずしも十分に開発されているわけではない。しかも、開発されたいくつかのアセスメント法は単独で使用される場合が多くアセスメントシステムに位置付いているとは言い難い現状にある。
  • 本学会は、これらの課題を解決するために、アセスメント法の開発とシステム化に向けた研究を行う研究プロジェクトを組織する・・・アセスメント法開発研究プロジェクト

3.教育・支援プログラムの開発に関する研究
  • アセスメントの過程では、その結果から指導内容や指導方法が直接導き出せることが重要である。そのためには、指導プログラムの開発と体系化、さらにより科学的に指導の過程を分析し、その形態やシステムを確立する必要がある。そのための第一歩として指導過程の第Ⅰブロックに位置づく「発達障害相談」や「発達障害カウンセリング」の構築が必要である。
  • 本学会は、これらの課題を解決するために、臨床研究を通して、①「発達障害相談」の具体的な形態(インテーク→アセスメント→指導→評価の指導過程)の確立、②障害特性や発達水準に応じた指導プログラムと指導方法の開発、③発達障害児をもつ親の心理とニーズに応じた「発達障害カウンセリング」の構築をめざす研究プロジェクトを組織する・・・教育・支援プログラムの開発研究プロジェクト

4.特殊教育に関するデータベースの開発に関する研究
  • 教育現場ではこれまでに数多くの優れた教育実践が行われてきた。しかし、それらは、その場に居合わせたわずかの人の目に触れるだけで埋もれてしまいがちであった。それら実践データ(教育目標、教育内容、教育方法、指導案、教材・教具等の)のデータベース化は以前より求められて久しいが、現状は必ずしも実現されているとは言い難い。データベースとその活用システムの構築は、教師をはじめ発達障害児の指導に携わる専門家がアセスメントの結果に応じて必要となった情報を容易に得られるシステムである。
  • 本学会は、この課題を解決するために研究プロジェクトを組織する。プロジェクトの具体的な研究課題は主に、①データベースに蓄積する情報の選定に関する研究、②データベースから得られる情報をいかに指導計画の作成に役立つような情報とするか、そのための解析方法の開発の2課題である・・・特殊教育データベース開発研究プロジェクト

 これらの4研究課題に対応していくためには関連する学問領域による共同研究とともに研究成果に対するより建設的な討論が必要である。研究と討論があって初めて前進があり、課題の解決に至る。このことは、あらためて学会としての活動が活発である必要性を示すものある。そこで、日本発達障害支援システム学会は、研究成果の報告と討論の場として、ここに『発達障害支援システム学研究』を創刊することにした。これによって、日本発達障害支援システム学会を発達障害の支援システムを研究していく実際的な学会にしていこうと考えたわけである。創刊に際し、積極的に寄稿してくださった学会員に厚く御礼を申し上げるとともに、読まれた学会員よりこれらの論文に対して多くの建設的なご意見がよせられることを期待するものである。

教育診断−治療教育システム学研究会 前代表
日本発達障害支援システム学会


  菅野 敦


(1)設立・沿革
  1999年に、教育診断・評価−治療教育システム学研究会が発足される。


  2001年名称を日本発達障害支援システム学会「The Japanese Association for the Study of Support System for Developmental Disabilities (JASSSDD)」に改称。
(2)目的
  インターネットを活用して発達障害の障害機構と発達障害者を支援する教育・療育・医療・就労・福祉などのシステムの研究に関する情報交換を図り、支援システムの推進と発展を目的とする。


事業内容
本学会では、毎年一回発達障害支援システム・インターネット学会を開催します。

  1. 機関誌『発達障害支援システム学研究』(年1刊)の編集・刊行
    同時に、ホームページ上で論文を公開

  2. インターネットを利用した年次大会の開催

  3. 本会のホームページをインターネットに開きすべての情報を公開し運営する

会員は、本会の主催する研究大会に参加する資格をもち、機関誌に投稿することができる。また、本会の運営するメーリングリストへ加入することができる。


組織紹介
理事会−−−会長
 |    副会長
 |    常任理事
 |    理事
 |    事務局長───事務局
 |
 +−−−−各種委員会
 |      Web研究論文掲載管理委員会・機関誌編集委員会
 |      倫理問題・著作権・学術検討委員会
 |      インターネット・ワーキング委員会
 |
 +−−−−研究部会
 |      情報教育・情報工学研究部会
 |      特別支援教育課題研究部会
 |      教育診断・アセスメント開発研究部会
 |      教育臨床・教育支援方法研究部会
 |      生涯発達研究部会
 |
 +−−−−地域システム懇話会



システム革新・研究開発支援センター
(The Center of the System Innovation and the Support of Studies and Developments;CSISSD)
 |
 +−−−−研究企画支援室
 |     ・研究企画公募
 |     ・採択された研究企画
 +−−−−研究ラボラトリー(web上プロジェクト研究室)
 |     ・インターネットによる発達障害相談
 |     ・動画による生活・遊び発達診断チェックリスト
 +−−−−研究ミュージアム(研究成果公開)
       ・機関誌(掲載論文,投稿論文)
       ・発達障害支援システム,支援ツール,データベース(一部公開)
          ・個別の指導計画データベース
          ・アセスメントツール
          ・資料データベース
 


役  員  (任期2024年12月31日まで)
会  長: 細川 かおり
副会長: 霜田 浩信(編集委員長/特別支援教育部会担当)
事務局長: 橋本 創一(開発支援センター長/生涯発達部会担当)
常任理事: 京林 由季子(教育臨床・支援方法部会/倫理委員会)
爲川 雄二(ICT部会担当/WEB担当)
横田 圭司(アセスメント部会担当)
理  事:
今枝 史雄      尾高 邦生      京林 由季子      小島 道生      霜田 浩信
爲川 雄二      橋本 創一      細川 かおり      横田 圭司      渡邉 貴裕
監  事: 大伴 潔    加藤 宏昭


会  則
第1章:総則
 
第1条   本会は日本発達障害支援システム学会と称する。
 
第2条   本会の事務局は東京学芸大学教育実践研究支援センター内に置く。
 
第2章:目的及び事業
 
第3条   本会は発達障害を対象とした学術研究を推進し、発達障害者の支援方法とその支援システムの発展を図り、最新情報の交換と学術及び教育、医療、福祉の発展向上を図る。
 
第4条   本会は下記の事業を行う。
   インターネット上での学術集会及び総会
   その他本会目的を達するために必要な事業
 
第3章:会員
 
第5条   本会の会員は本会の目的達成に協力するもので、次の通りとする。
  • 正会員:
    本会の目的に賛同し、発達障害に関連する領域について研究する者または、強い関心をもつ者。但し、最終学歴が短期大学卒業以上またはそれに相等する学業を修めていること。または、発達障害にかかわる職務経験年数が2年以上であること。
  • 賛助会員:
    本会目的に賛同する個人又は団体
     
第6条   本会に入会を希望するものは所定の申込用紙に会費を添えて本会事務局に申し込むものとする。ただし申し込みの受付はインターネットで行う。
 
第7条   本会への入会・退会については、事務局に届け、本会理事会の承認を得ること。
 
第4章:役員
 
第8条   本会には次の役員を置く。
  1. 会長:1名
  2. 副会長:1名
  3. 事務局長:1名
  4. 常任理事:若干名
  5. 理事:10名
  6. 監事:2名

 
第9条   会長は学術集会、総会を主催する。
 
第10条   会長は会の運営、庶務、会計、学術集会開催、渉外その他の業務を分担する。
 
第11条     会計監査は理事より選出され、監査を行う。
 
第12条   役員の任期は3年とする。ただし再任はこれを妨げない。
  「日本発達障害支援システム学会役員選出細則」について
 
第13条   学術集会、理事会は毎年1回以上これを行う。
 
第5章:会計
 
第14条   本会の事業年度は毎年4月1日に始まり、次年3月31日に終わる。
 
第15条   本会の運営に要する経費は会費、寄付金などをもって充てる。
 
第6章:会則の変更
 
第16条   会則の変更は理事会で行う。
 
附則
  1. 本会則は平成13年7月1日から施行する。
  2. 本会の年会費は次の通りとする。
        正会員:未定(現在は会費をいただいておりません)
        賛助会員:50,000円


連絡先
E-mailアドレス;office@jasssdd.org

〒184-8501
東京都小金井市貫井北町4−1−1
    東京学芸大学教育実践研究支援センター内
    日本発達障害支援システム学会事務局

TEL/FAX  042(329)7678


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